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「古美術・骨董・古道具買取りと特商法」のまとめ

古物業法の現在 tekyu co.ltd 02.2017


改正特商法で何が変わったのか?

 これまで、「買取」については消費者保護が充分でなく、様々な悪徳ビジネスの被害が拡大する温床となってきましたが、特商法の改定により「中古品の買取=訪問購入」についての規定が大幅に内容が変更されました。貴金属やブラント品のいわゆる「押し買い」が社会問題となったためです。

 今後は売る側である一般の方も「買取価格が納得がいかなかった」「買取業者に騙された」という様な場合に、業者への販売後、8日間のクーリングオフ期間(買い戻し)が定められました。つまり代金と引き換えに「品物を取り戻すこと」ができるのです。古美術・骨董・古道具もその例外ではありません

 また、この法令は中古品の買取業務ほぼ全てに適用されるものであり、消費者の権利に対する虚偽の申告・・・例えば「貴金属などと違い、古美術は買い戻しできませんよ。」などと買取業者がお売りになる一般の方にウソの告知を言うことも法律で禁止されています。

 未だに、「キャンセル不可」と違法な内容をホームページで掲載しているサイトも存在しますが、 法律上、売却後も8日間の間はお客様側から売却のキャンセルは可能なのです。

(ただし除外五品目は、家具・CD/DVD・自動車・家電・有価証券です。これらは特商法の対象外商品です。また、店頭への持ち込みも適用されません。最近、店頭買取をするところが急増したのもそのためです。)

 尚、上に並べた様な除外理由がないにもかかわらず、明確な査定をしない、又は、クーリングオフの説明と「売買告知書」を発行しない事業者は、その規模に関わらず改訂特商法により罰則の対象と成り、 買い取りに訪問したすべての中古買取業者は、必ず自発的に告知事項の説明や売買告知書の発行をすることが義務付けられています。

 クーリングオフの説明をせず、「売買告知書」を発行しない訪問買取り業者に関しては、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金の対象と成ります。


なぜ違法業者は「告知」しないのか?

 消費者庁によれば「改正特商法」に対して告知・明示しない、買取に関しての違法取引業者には以下の理由があるとされいます。

1.警察や公安委員会・関連省庁との定期的な相互連絡や指導を受けていないか登録の無い「違法操業者」「事業実体のないダミー会社」である。

2.買取り価格が市場相場に比べてきわめて安価である為、不当な買い叩き行為が露見することによって、売却キャンセルが予測されるため、客側にそうした法律が有る事を明示出来ない。

3.物品買取りに関して法的知識が無い未熟な業者であり、査定知識や鑑定知識等も欠如したまま適当な査定価格で買取を行っている為である。

4.明らかに高価な古美術品数点だけを値付けし、古道具類はすべてまとめ買いする「釣り上げ買い」の常習業者である為、後になって古道具類の不当な買取価格が露見するのを恐れ告知書の買取記録を残せない。

等の理由が、単独、もしくは複数で存在していると考えられます。こうした違法操業の実態に対して、所管官庁や警察は取締を強化し多数の現行犯逮捕者を検挙しています。

大切なのは消費者側からの確認!

 特商法改訂以降もブランドやリサイクル品を含めた中古品の買取被害はあとを立ちません。 理由として、未だ多くの業種の買取業者側に、改訂特商法そのものの正しい知識がないことや、 「電話で客側から買取の依頼がある場合は適用外だ」など、特商法に対する不確かな知識に基づいて勝手に判断し操業をつづけているという実態があります。 小規模経営が多い業者側が未だ法律の存在すら認識していないというのが実態です。

 同時に消費者側も「訪問購入」にそのような消費者保護の法律がすでに存在することを知らない。または、ケーススタディーが充分でないという前提があります。 消費者による中古品の売却トラブルを回避するために作られた改訂特商法の成立後も、購入する業者側、物をうる消費者側に充分に法律が浸透していないのが現実なのです。

 それでも、この法律の社会理解や業界内の法令遵守の浸透以前に、実際には すべての訪問購入業者が、買取目的の告知、買取品目の変更の禁止や、クーリングオフの説明や売買告知書の発行などを行う義務を負い、規制の対象下にあります(特定5品目は除く)。 単に多くの消費者が知らないだけで、すでに訪問購入で物を売る側は強力な法律の保護下にあるのです。

 ここで、消費者側が認識しておかなければならないことは、「業者」と名乗り古物商鑑札を所持していても、すべての業者側が警察や消費者庁などの特商法の指導講習を受けているとは限らず、 法令遵守の自覚意識があるとは限らないという点です。むしろ消費者側の無知に付け込み、ホームページのサイトの段階でさえ、訪問購入時の特商法表記がされていないレベルが大半というのが残念ながら現状です。

 自己防衛の為にも、少しでも変だと感じたり、来訪時に法律で定められた告知を行わない業者に対しては、 消費者側から率先して「クーリングオフは可能ですか?」など、業者側の知識と法令遵守意識を確認することが大切です(告知を行わない時点で法律違反です。下記、逮捕事例をご参照ください。)。

 まずは、来訪時の査定や売却契約にあたってサービスを提供する事業者とその連絡先、買取する品物、などをしっかりとご確認ください。


詳細は所管官庁等の下記HP

「特定商取引に関する法律の一部を改正する法律(平成28年法律第60号)」
2013年2月改定「消費者庁」HP
http://www.caa.go.jp/trade/index_1.html
@ 「特商法2013年立法(2014年施行)の法律本文」

「訪問購入(出張買取)に関する規制」
2014 -2015 「特定商取引法」日本政府・消費者庁HP
http://www.no-trouble.go.jp/search/what/P0204012.html
@ 「特商法の概略を分かりやすく紹介しています。」

「訪問購入を行う古物商の皆さんへ」
2014 -2015 「特定商取引法」長野県警察本部
http://www.no-trouble.go.jp/search/what/P0204012.html
@ 「長野県警による古物商向け訪問購入(買取り)における特商法実施についての解説」。

「訪問による貴金属等の買い取りに関するトラブルが増えています」
2014 -2015 「訪問購入トラブル」松山市
https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/kurashi/shohisha/trouble/houmonkaitori.html
@ 「リサイクルショップの開店で不用品買取りと電話をランダムにかけて貴金属買取りを強要する手口の紹介。

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適応除外(法第26条)

以下の場合等には、特定商取引法が適用されません。

業者間取引の場合。(同業者間やその他の事業者間取引。)

海外にいる人に対する契約

国、地方公共団体が行う販売または役務の提供

特別法に基づく組合、公務員の職員団体、労働組合がそれぞれの組合員に対して行う販売または役務の提供

事業者がその従業員に対して行った販売・購入または役務の提供の場合

(政令第16条の3)

いわゆる御用聞き取引の場合。(事前に電話などで「査定依頼」の確認をしていても御用聞き取引にはなりません。)

いわゆる常連取引の場合。(習慣化した反復的な取引。)

店頭への持ち込みによる買取。(質店やリサイクルショップで増加している業態)

訪問購入「押し買い」と業界

多発する逮捕事例

「押し買い」で初逮捕 特商法違反容疑、山形

日本経済新聞 2013/5/9付

 山形県警尾花沢署は9日、貴金属を訪問して買い取った際に、購入価格やクーリングオフ制度の説明などを記載した書面を渡さなかったとして、 秋田市千秋中島町、古物買い取り業、志賀直樹容疑者(26)を特定商取引法違反の疑いで逮捕した。
 同署によると、「押し売り」に加え、訪問業者が貴金属などを強引に安く買い取る「押し買い」を規制する改正特商法(今年2月施行)を適用した逮捕は全国初という。
 逮捕容疑は8日、山形県大石田町の女性(82)宅を訪問し、女性からネックレスや記念硬貨など3点を計1万円で買い取った際、法令で定めた書面を渡さなかった疑い。
 女性の家族から届けを受けた署員が、同町内で志賀容疑者を発見した。〔共同〕

記事ソース

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG09018_Z00C13A5CC0000/

# リサイクルや美術買取業者も同様の規制対象でありながら、法律そのものを認知していない訪問購入業者が多数いる実態があります。 公安委員会や警察の定期的な連絡会や講習会に全く参加せず、尊法意識の欠如した悪質業者がタウンページやネット広告や飛び込みにより違法操業を重ね、社会認知が遅れている状態が指摘されています。

# 「平成27年中における 古物営業・質屋営業の概況」警察庁 2016 

事例と背景

他業種による擬態的な「古道具・骨董買い入れ業参入」

 警察白書2015年版による統計では古物業登録業者の総数は前年比で12600件の上昇で、平成16年度からの上昇の流れからみて急速なものではありません。

 慢性的な例年の増加傾向の背景として、アマゾンなどによるインターネット中古物品取引の増大と各他業種における多角化により中古品市場への参入が挙げられます。

 同時に、古美術・古道具・骨董に関しては、何より2013~2016年上期にかけて世界規模で拡大した中国人による「爆買い現象」が日本の古美術市場にも波及し、 中国人による自国歴史遺産の「買い戻し効果」と「美術品への投機熱」によってもたらされたものです。

 特に後者の「爆買い現象」は旺盛な中国人による美術品購入の活況がテレビなどの各メディアで報道されることなどから、破格の投機的利益を上げることのできる機会と認識され、 雨後の筍のごとく、他業種異業種からの古物業界への新規参入が発生しました。

 結果として、古物業法や特商法訪問購入規制などに十分な経験も知識の無い新規参入者が、中国美術品を購入する目的で直接売却希望者と接触することで、 多くのトラブルが発生する原因となりました。2014年11月に栃木県でリサイクルショップが中国製美術品を一般家庭から美術商をよそおい購入し、後に脅迫事件に発展したケース。
 さらには、2015年に大阪府下で貴金属ブランド業者が中国製錫器を一般客宅で購入し法で定められた告知を行わず逮捕されたケースなどはその具体例です。

 逮捕にまで至らない警察の認知件数だけでも相当数に上りますが、予想される「特商法違反取引」の実際の発生件数は膨大なものに上ると予想されています。 こうした事件の背景には、骨董や古道具に対して知識の無い、リサイクル業、質店、貴金属買取業などの古物業法上の近似業種や新規参入者の存在が、 違法操業の背景を形成している実態が明らかになります。

 こうした擬似業態では中国人が好む投機美術品である象牙、サンゴ、金瓶、錫器などの買取を特に誇張して広告しているのが特徴です。

# 典拠「平成26年度 警察白書」警察庁 2016. 「平成27年中における 古物営業・質屋営業の概況」警察庁 2016  「美術品相場を背景にした中国政府による尖閣諸島海域の古地図買い戻し行為の組織分析」雁金俊彦 2016 「「訪問販売・電話勧誘販売の勧誘」に関する提出資料」消費者庁 2016 などに寄る。

本文著作権は「てんきゅう」に帰属し、無断複写の一切を禁止します。尚、当ページURLリンクの上で、「引用・「古美術・骨董・古道具買取りと特商法」古物業法の現在」tekyu co.ltd」タイトル付けでの著作引用であり、 かつ、著作の意図を損なわない前提(当社記事への誹謗中傷等でない)の場合は、無許可での引用を承諾するものです。

ブランド貴金属故買業等による「古道具商なりすまし」行為

 古道具や骨董の特商法の違反事例として問題になっているのが、他に貴金属商・質店・ブランド品商などによる、骨董商や古道具商のなりすまし行為です。

 この事例は前出の他業種によるデタラメな査定価格による古美術品の買い叩き行為とは異なり、古道具や骨董を購入する目的はほとんどありません。

 これらの業者は本来購入したい商品を強引に買い取るという目的を隠して、「古道具や骨董の購入」または「リサイクル品の購入」と偽って電話でアポイントメントをとって訪問購入に訪れます。 つまり「古道具や骨董の購入」は口実にしか過ぎず、実質的には「ブランド品や貴金属」などの容易に転売可能な高価格品の買取を目的としているわけです。

結局、訪問後に突然豹変して、それまで購入の対象と言明していなかったブランド品や貴金属などを強引に手放すよう強要するわけですが、 本当の目的をすべて隠したままあたかも「古道具や骨董の購入」または「リサイクル品の購入」が主目的であるかのように広告・勧誘を展開するのがこの悪質な商法の特徴です。

 そうした業態を揶揄し一般に「7匹の子ヤギ商法」と呼ばれる場合があるようです。

 端的に言えば、一般の方にとって「不用品」であり「どこの家にでもありそう」な、古道具やリサイクル品を高価で買い取ると提案すれば、 訪問のアポイントメントをとることが容易であることに着目した商法と言えます。 「不用品」の訪問購入を口実に相手宅に入りこみ、実は家の人にとって「不要では無い」ブランド品や貴金属などの販売を強要し居座るかたちをとります。

 通常、「あなたの家の近くでアンティークショップ(リサイクルショップ)を開業する予定だが商品が足りない。なんでも良いので骨董品や古道具類(リサイクル品)は無いですか?。」と、 電話による訪問のアポイントをとるものです。当然、こうした開業の実態はなく、架空の訪問口実を設定しますが依頼された側は「開業前」であるため真偽を確認することはできません。

 結果的に、一般の家庭ではそうした隠された意図を察知できず、お金をもらって「不用品」が片付けられればという気持ちから、 アポインターに依頼されてそうした「鑑定士」や「査定員」の来宅を許可します。 やがて指定日時に訪問した人物は、あきらかに顧客側が示す古い物やリサイクル品にはほとんど興味を示さず、ブランド品や貴金属をいくら断っても求めてくるのでそれとわかります。

 つまり、骨董や古道具などの「不用品」の訪問購入と見せかけ、高額金品の販売を強要するために「被害者宅に上がりこむこと」がこの商法の目的です。

 この商法は大規模なもので、全国規模の質屋チェーンなどが大規模にホームページなどで「古美術・骨董買取」の広告を出すか、電話代行専門の企業に委託し、 電話帳データーなどをもとに無作為大規模にローラーで電話予約を取っていることが判明しています。沖縄県や福島県の電話代行業者を使って行われているケースが報告されています。

 こうした事例は、もちろん改定特商法の定める「購入品目の変更の禁止」「再勧誘」に違反する行為であり、すでに幾つかが逮捕事例として報告されています。

 こうした被害に遭わないためには、かかってくる電話による訪問購入依頼を安易に承諾しないことと、 広告をよく見て貴金属から骨董、リサイクル品も含めて「何もかもを買う」サービスはよく内容を確認し、 内容がおかしければ利用することを避けることで、被害を回避できます。

# 典拠 「貴金属の訪問買取」国民生活センター 2016. 「平成26年度 警察白書」警察庁 2016. 「「訪問販売・電話勧誘販売の勧誘」に関する提出資料」消費者庁 2016 などに寄る。

「貴金属の訪問買取・最近の事例」国民生活センター 2016.
http://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/houmon_kaitori.html

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一般の方が安心できる買取サービスを!

 古道具・骨董・美術品などの出張買取について、2013年より実施されている改定特商法が適用されます。お客様側からのクーリングオフ制度について、弊社「関西古道具買取センター骨董のてんきゅう」は、消費者庁及び警察庁の指導のもと法令遵守励行をおこなっております特商法遵守企業です。

 お客様が買取業者に対して古道具・骨董・美術品や貴金属・リサイクル品を売却される場合に、「やはり買取価格に納得がいかない」などの理由で品物の返却をご希望の場合は、品物代金との引き換えで特商法該当品目につきましては「買い戻し」が可能ですので、安心して弊社サービスをご利用いただけます。

 特商法規定を守らない物品の買取は違法行為です。






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